2011年09月01日

京都吉兆の食育活動


 
今年度から京都吉兆は、各団体様と食育について協力させて頂いています。その中の一つ京都、大原の地で行われています※1食育ファームも前期日程を終えました。今回は、食育メンバーがその内容について私共の社内報に掲載しましたので、ここでご紹介致します。



※1食育ファーム……今年度から京都吉兆がサポーターとして協力しております、同志社大学大学院 総合政策科学研究科の実施する食育プログラム「食育ファームin大原」の略称



 皆さんの中には「食育」って何?とか、どのような活動をしているのか?という疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。そこで「京都吉兆の食育」について少し深くお話いたします。



まず「食育」とは、「食」に関する多岐に渡った分野についての「教育」のことです。(例えば、農作業、味覚体感、調理体験、しつけ等)



国民が健全で豊かな食生活を送るための能力を育てるという目的下、生きる力を身につけるため「知育」「徳育」「体育」の基礎となる「食育」の重要性が着目され、2005年に「食育基本法」という法律が制定されました。国を挙げて家庭、学校、保育所、地域、企業など様々な機関で、食育の推進に取り組んでいます。



徳岡邦夫は社会全体が日本人の食に危機感や不安感を抱き始めた1990年ごろから、いち早く食育の重要性を感じ、個人として活動を行っております。



「京都吉兆の食育」とは、吉兆創業八十周年プロジェクトをきっかけに、京都吉兆全体で動き出した活動でございます。



「命の大切さを知り、共に生きる力を養う」という目的を定め、更にその中に



1、食べ物が「商品(物)」ではなく「生き物(いのち)」であることを知る



2、食事が当たり前に出来ることに感謝し、「食べ物」、「生産者」、「料理を作ってくれた人(母親や祖母など)」に感謝を込めて「いただきます」「ごちそうさま」が自然に言える



3、生きるための基本である「食」に対する意識向上でよりよい(質の高い)生き方を身につける



4、食べて寝るだけで、生き続けられるのか?ということについて考える



という4点に重点を置き、食育参加者に生きるために必要な「食」について意識していただくことで、共に生きる力を養うという活動を行っています。(家庭が食育において最も重要な役割を持っていることから、原則親子での参加をしていただいています)



 食育ファームは、子どもたちが農作業、調理体験といった五感を使った体験をすることで、豊かな人間形成を育むのではないかという仮説のもと、山里の趣が感じられる京都、大原の地で行われています。



子どもの頃から食に興味をもたせ、味覚を育て、食を選ぶ力を身につける。家族で農作業や調理体験を行い、いのちと食の結びつきや、食を通じたコミュニケーションの重要性を学ぶことを目的としています。



「子どもたちがワクワクするような食の楽しさを伝えたい!」という学生さんの思いに共感し、わたしたち京都吉兆もサポーターという形で参加いたしました。



5月に種をまき、苗植えをしてから3ヶ月間、野菜の成長を子どもたちと共に体感してきました。6月末からズッキーニの収穫が始まりその後はキュウリ、ナス、万願寺、トマトと色々な野菜を収穫しました。お昼御飯にはその野菜を用いて料理を作り、皆で美味しく頂きました。この食育ファームでの種まきから収穫といった農作業や、調理体験によって、子どもたちは多くのことを学び感じとり、少したくましくなったように感じました。(後期は911日から始まります。)食育ファームに参加させて頂きながら、食育メンバー(長谷、牧村、山道、小宮山、長瀬)で日々京都吉兆の食育の在り方を考え続けています。



その中で719日には、新しい動きとして嵯峨幼稚園様にて「幼稚園児」を対象とした食育を行いました。当日は幼稚園のプールをお借りして10の鰻を泳がせ、子どもたちには水着でプールに入りつかみ取りをしてもらいました。その後、目の前で鰻をさばき、炭火で焼き、どんぶりとして食べてもらいました。「食べること」が「命をいただいて生きていること」であると園児に伝わるには時間がかかると思いますが、手応えを感じる食育活動となりました。

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posted by 徳岡邦夫 at 20:32| コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月20日

世界一安全なクッキー

先日、福島に行ってきました。

「食に携わる者として、東北復興の役に立てられないか?」と、思い悩み
福島産の食材でクッキーを作るモデルを思いつきました!

食に携わるものとして、一次産業の活性化をまず考えました。


なぜ、福島県なのかと言えば…
原発のある福島県を優先することで東北だけでなく
日本全体を活性化するために、世界的な効果があると考えたからです。


今の一次産業が立ち直っても、日本のマーケットは縮小していくでしょうから
世界マーケットで考えないといけないと思ったからです。



福島復興クッキーには、全て福島県の食材を使用します。
全品検査を行い、放射能も農薬も添加物も無い、
世界一安全なクッキーが出来よう工夫しています。
クッキー作りも衛生完備された環境の中、地元で行い、クッキーを買って頂いたお金が直接働いた方に渡る様な仕組みにする予定です。


この活動についてメディアで少し取り上げて頂きましたので
紹介させて頂きます。



朝日新聞HP
http://mytown.asahi.com/fukushima/news.php?k_id=07000001108170005


毎日新聞HP
http://mainichi.jp/photo/news/20110814k0000m040044000c.html


世界中の仲間に声をかけ、今後も改良を加え、福島を世界ブランドに出来れば
素敵な事が起こるようなイメージが沸いています。

posted by 徳岡邦夫 at 10:39| コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月16日

ほえいプリンできました!

ほえいプリンできました!
 
 
今日は、洞爺湖店「あらしやま吉兆」からのお知らせです。
 
北海道のプレミアム牛乳のホエイ(乳清)を使ったオリジナルの「ほえいプリン」が完成しました。
ホエイは、乳製品を作る際に出る副産物。乳加工品の多い北海道ですが、ホエイを使った加工品が少なく、とてもたくさんのホエイが破棄されているのだそうです。
低脂肪で乳タンパクやミネラルも豊富なホエイなのにーー これはもったいない!
ということで、繊細なホエイの味を生かしたふるふる食感のプリンを考案しました。
プリンは、十勝小豆を使った吉兆特製のあんこと抹茶蜜との相性がとてもよかったので、これをソースとして食べられるものにしました。
さらに、黒蜜と菜の花のはちみつも好みで選べるようプラスしました。
この「ほえいプリン」は、洞爺湖店の秋限定のデザート(一部のコース)として提供しますが、婦人画報の通販でも販売します。
http://fujingaho.ringbell.co.jp/
会心作! ぜひともご賞味ください。
 
posted by 徳岡邦夫 at 13:13| コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月23日

日本酒イベントの試作

先日、5月28日(土)に催す「日本酒イベント」の最終試作・試飲を行いました。
今回は「金沢 中村酒造」様とのコラボレーション企画です。

お酒に使用する材料は全て金沢県産のものと、こだわっており世界基準の有機栽培方法で作られた有機米のお酒や、世界的に有名なフレンチシェフ、
「アラン・デュカス」氏と共同開発した「日榮 アラン・デュカス セレクション」など、良い物を金沢より発信していこうとする想いが私共と一致し今回の企画が発足致しました。


そして今回の試食、とても良かった! 今までに、ワイン・シャンパーニュ・日本酒とイベントを重ねてきましたが毎度の試作で感じることが、面白く・質の高い内容になってきています。
あえて献立の内容は伏せますが、皆様が日頃召し上がっている庶民的な料理が「おっ!」と思える様になっていたり日本酒とはなかなか一緒には食べる事のない料理も「合う!」と思わず口にしてしまいそうな料理になっていました。
当日までにはもっと良くなっていると思います。
興味のおありの方は是非!


日時:2011年5月28日(土) 18時〜 受付17時30分より
料金:お一人様 18,000円 (お料理・お飲物・税金・サービス料含む)
    要予約 (定員15名)
ご予約・お問合せ
HANA吉兆 (大和大路四条下ル 三軒目)
TEL (075)531-1500
posted by 徳岡邦夫 at 10:25| HANA吉兆 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月21日

冷静になること

震災から11日がたちました。
福島第一原発では、今も懸命な復旧作業が続いています。
一日でも一分でも一秒でも早く、この緊急事態が収束することを願います。 

昨日、このブログで日本の食材が海外のホテルなどで次々と使用中止になっていることを伝えました。早速、知人よりコメントをいただきました。 元大手企業の役員をしていた方からは、「海外メディアは日本のメディアの比ではないほど、放射能被害に関して過剰報道しています。海外メディアは日本政府や東電の発表をまったく信用していないのでしょう。かえっていま、官邸が変なPRをすると、事態は悪化するかと思います。放射能がないことが判ればすくに、顧客は戻って来ると思います。ポイントは海外の第3者と一緒に放射能を測定することです。じつのところ、1次産品は海外売上どころではないと思います。東北には配合飼料の工場が港に隣接して集積していたのですが、これがほぼ壊滅したようです。食肉や牛乳が心配です。東北太平洋側の米農家は山側でもかなりのダメージを受けているようです。つまり、政府はまず自国民を食わせるために必死になるべきであろうと思われます。」 

また、某IT会社社長の方からは、
「風評リスク、かなり危機感を持っています。国全体が戦後復興のような状態になりうると覚悟はしてます。また、まだ福島の原発自体が収束していないため、種々測定結果に基づいた科学的な根拠を発信し続け各国とシェア出来るにしても時間がかかると思います。
諸外国政府機関は、まだチェルノブイリ級になりうる、一部なっていると思っており、それに基づきガイドラインを各国内に展開されているようなので。逆に日本政府はなぜこんなに冷静沈着なのか、と違和感を募らせているため、不安定な状況で政府が何を発信しても聞かない、というのが今の状況だと思います。
今回の件は、原子力に精通していてかつ事態を把握している人間が、日本と各国で集まってお互いのデータを持ち寄って相互に被害の共通認識を持てるようにする事が大事だと思います。勝手に言ってるだけでは溝が埋まらないので。政府は正しい情報を発信してないとバッシングされてます。個人的には政府、原子力保安院は単に東電に翻弄されてしまっていたように思えますが。我々に出来る事、常に考えています。が、国内すら落ち着いてない現時点ではもどかしいのも正直なところです。6億人使われているフェイスブック使えないかなどーー。

 
そして、安藤和津さんからも、
「今国内でも同じようなことが起きてます。スーパーでは他県のお米はすっからかん、福島県産のみ大量売れ残り。悲しいよね。信じられません。これでますます日本の経済が停滞したらどうなるのか。国は世界に向けてきちんとした対応を早急にするべきだと思います。何しろできることは応援します。」

 このほかにも、海外で日本の企業とともに進めようとしていたプロジェクトもキャンセルが出ているとも聞きました。関東の一部の人たちが、関西へと移動してきているのも事実のようです。 日本人も世界の人たちも、もっと冷静にならなければいけないと思います。冷静に、冷静に!!被災された方たちのために何ができるか?義援金、物資の援助、ボランティアなど、いろいろありますが、まず遠く離れたところに暮らす私たちにできることは、根拠のない買い占めをしたり、逆に危険かもしれないという風評に惑わされて買い控えしないことではないでしょうか。平常心を失わないこと。今この危機を乗り越えるために必要な事だと思います。 
posted by 徳岡邦夫 at 17:02| コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月20日

一次産業の危機について

東北地方太平洋沖地震により被害に遭われたみなさまには、
謹んでお見舞い申し上げます。
一日も早い復旧を心よりお祈り申し上げます。


今回の想定を超える地震と津波のため、東京電力福島第一原発で大きな
事故が起こり、今も懸命な復旧作業が行われています。
けれどその一方で、この原発事故を受け、アメリカ政府からは「日本への渡航制限(勧告)」が発令されてしまいました。また、アメリカ・イギリス政府は在任国民に対して、日本出国するか核汚染圏外に避難するように勧告を出しました。

アメリカ国内の報道は、日本悪者論・日本危機説の論調がとてもきつく、沢山の来日予定者は、来日を延期しているようです。
そして、日本の一次産業が世界からボイコットされようとしているのです。

日本全土の一次産品が、放射能汚染されているように思われ、このような誤った風評が世界に広がり出しているーーー。

先ず今日本がやらなければ行けないことは、現時点で複数の科学者と国家が連動し、科学的根拠に基づき、放射能汚染地域を特定して、それ以外の地域の食材は、問題ない! と総理大臣が世界に向けて発信しないといけないと考えます。
その後、放射能汚染地域の健全化も定期的に発信するべきです。

色々な問題もあるでしょうが、正しい情報の発信がないと、日本の一次産業品及び加工品、もっと言うと、自動車や家電もボイコットされてしまうのではないでしょうか。
実際、シンガポールでは、日本から輸入されている食材の使用中止をする動きがホテルや大手寿司チェーンなどで出ており、風評被害が出始めています。
また、香港政府は12日以降、日本から届く全ての食材に対して放射線量テストを行い、インターネット上で結果を随時報告しており、いくつかのホテルは、日本からの食材の使用を中止していると言います。

少しでも早く福島の原発事故が鎮火し、東北地方の一日でも早い復興を今は祈るばかりですが、これ以上の間違った風評が広がらないことも、 願います。
posted by 徳岡邦夫 at 17:01| コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月31日

京都サロン

前回のコラムで、「本当の幸せ」について書かせて頂きました。

本日は、そこに繋がる「学び」のあるご案内となります。

1泊2日特別プログラム「京都サロン<極(きわみ)>」
〜大西清右衛門美術館の見学、京都吉兆嵐山本店での会食、
星のや京都への宿泊等から、特別ゲストと共に日本の文化・伝統を
体験・議論するプログラム〜

このたび、「京都吉兆」は、「星野リゾート株式会社」ならびに
「リブラプラス株式会社」と「大西清右衛門美術館」の協力のもと、
「日本の文化・伝統を解析し、再設計した時、これからの日本の経済や
教育にどう活かしていくか」を目的としたプロジェクト「京都サロン」を
発足することとなりました。
サロン第1弾のプログラムとして、1泊2日の特別プログラム
「京都サロン<極>」参加者の一般公募を本日1月31日より開始します。

普段のご予約では体験できない、プレミアムな内容をご用意しております。
詳細は「京都サロンHPhttp://kyoto-salon.com/にてご確認ください。
特別ゲストと共に、芸術について熱い議論を交わし、自身の学びを高めることと
歴史に触れること、を体験して頂くプログラムとなっております。

是非、ご参加ください!!

【京都サロン<極>の概要】
開催日:3月12日(土)〜13日(日)
・大西清右衛門美術館と工房を見学し、十六代当主大西清右衛門とお茶会
・京都吉兆嵐山本店にて、3代目総料理長による出汁の作り方のレクチャー
・京都吉兆嵐山本店にて、お座敷での夜メニューのお食事
・星のや京都にて、著名人を交えたアルコール・軽食付きの参加者討論会
 (※討論会には各界著名人がゲスト参加いたします。)
・星のや京都にて、ご宿泊
・星のや京都にて、ご朝食
※限定4組8名様で、人数が埋まり次第公募を終了させて頂きます。
※現地集合、現地解散とさせていただきます。
posted by 徳岡邦夫 at 16:31| コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月30日

本当の幸せ

就職することへの使命感等は、皆無なのかもしれません。

そこそこで、安定していて、合理的で、楽な職場選び。

そんな職場は、ありません。

その様に見える、職場を選び入社してみたが、当然、違う。

人間が生き続ける事が、どれほど大変な事なのか体験していない事が、問題なんでしょう。
だから、共に助け合うのです。
一人で生きていけないから共に生き様とするのです。

入社したての方々の動向を見ていると、23年で現職を捨て、次から次へ「キャリアアップ」という名の元に、職場を変える傾向が目立つ気がします。

しかし、ゆっくり考えてみて下さい。

情報に踊らされていませんか?

23年で辞めても、実際に得るのは「キャリア」ではありません。
23年間で得られる「キャリア」は、薄っぺらな表面的なものです。
23年で転職すると、
自分自身の信頼を失うだけなのです。
それを続けると、転職先は、なくなります。
本気で、15年20年打ちこみ続けてからの転職とは、ぜんぜん違います。

日本料理の世界では、10年以上同じ職場で様々な経験を多角的に積む事で、物事を深化させる事が出来、腕が磨かれるという考え方が当たり前でした。

焦って何かをやめてしまう時、他人と比べていませんか?
しかし大切なのは、去年の自分と比べ、今の自分が少しでも成長出来ているかどうかではないでしょうか。

私ども京都吉兆には、現在注目されている、「食」を切り口にした、様々なヒントやチャンスがふんだんに隠されています。
その事を、見つけられるかどうかは、本人次第です。

常に考えている方と、そうでない方は、当然違います。

幸せとは、人から与えられるものではないからです。


各界の要人にも多くお越し頂く弊店では、サービススタッフにも質の高い身のこなしが要求されます。その身のこなしは自然に身につくものですが、受け身でいるのではなく、意識しながら実践を重ね、時間をかけなくては無理です。
付け焼場では、ぼろが出ます。

それは、茶道の稽古と良く似ており、言葉やマニュアルでは、到底理解出来るものではないのです。
初めは点だった割り稽古が、線になって所作と言う流れを生み出し、そこに奥行きが出て思想となり意味を成す・・・。
そのプロセスには、時間の存在が必要不可欠です。

サービスの知識や感性だけでは、だめなのです。
いろいろな経験が、人を作り、関係を醸成させて行くのです。

慌ただしく働く中でも、「幸せの本当の意味」について、常に考えなければ上達はないと思います。

成長する時は、誰しも苦しいです。

言い替えてみれば、苦しい時は成長している時なのです。

水準の高いものが周りにあれば、学べる事も水準が高い筈です。そして、結果として水準の高い幸せを得られるのです。

幸せになる事を諦めないで下さい。

京都吉兆は、「本当の幸せ」を手に入れる事を諦めない皆さまと、共に成長出来る事を楽しみにしています。

 
*上記文章は、リクナビブログに掲載したものを、一般的にも読み易いよう、修正させて頂きました。







posted by 徳岡邦夫 at 13:34| コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

おいしいコラム

1/23〜1/30まで、パリ視察、試食旅行に行ってまいりました!!

大変勉強になり、世界のトレンドを作りだしているパワーを感じました。

詳しくは、「門上武司のおいしいコラム」をご覧くださいませ!!
posted by 徳岡邦夫 at 12:43| コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月13日

禅の世界

禅の世界と、私達の日常は、かけ離れた存在なのでしょうか?

碧巌録・八と言う書物の中に「關」(関、カン)と言う一字の禅語が有ります。
唐時代の翠巌令参(すいがんれいさん)禅師が、「私は長い間毎日、皆さんの為にいろいろと説法してきましたが、まだ私の眉毛は有りますか?」と尋ねられました。

これは説法を誤って説いたりすると仏罰がくだり、眉もひげも抜けてしまうと言う経説を借りて、一問を投げかけたのです。

これに対して保福従展(ほふくじゅうてん)禅師は、「盗人はやましい気持ちに、落ち着かないのであろう。」(賊となる人、人虚なり)と言い。

長慶慧稜(ちょうけいえりょう)禅師は「眉毛は大いに生えているよ。」と答え。

最後に雲門文えん(うんもんぶんえん)禅師は、「関」と一言叫んだそうです。

この四禅師は雪峰禅師門下で同窓の為、互いに腹の内まで知り有っていたそうです。

翠巌、保福、長慶の三人が相づちを打っているのを見て、雲門は、三人とも同じ穴のムジナだ、賊と賊と賊だ、みんな奴らは、まかり通さないと「関」という関門を設けたと言うことです。

仏教の経典の伝達では言葉や文字という物は、ちょうど月を示す時の指に等しい物だと言われています。

言わんとすることは、指をどれだけ広大しようが、また伸ばしてみても決して月にはならないし、言葉もどれほど広げようが深く突き詰めても結局、真理にはたどり着けないと言うことです。

それでは言葉というのはどういう意味を持っているかというと、言葉はただ真実を示す、あるいは方向を示すだけの物にしか過ぎないと言うことです。
禅の世界では、そうは言っても言葉で真理を説かなければならないという矛盾があります。
文字や言葉で真実の方向を示していかなければならないのです。

禅の世界では、この事に関して大変苦労をなさっているようです。
先の三人の兄弟弟子の話はこれを、良く表していると思います。

私たちの日常でも、伝えたい思いが有る為に出た言葉が「嘘」となってしまい「虚、きょ」が「虚」を産み、大事な物と、かけ離れた物になったり、
その為に「虚」を積み重ねていかなければならないのなら、その営みや行動、言葉は全て「虚」と言うことになり何の意味もない物となってしまいそうです。

私たちの営みはまさに「虚」なのでしょうか?

「賊となる人、人虚なり」と答える方もいらっしゃるでしょうし、「眉毛は大いに生えているよ。」と答える方もいらっしゃるでしょう。
「關」、皆さんで考える必要が 有るのではないでしょうか?

そおして、皆さんが納得するような「関」(基準)を作り、その基準(関)をクリアー出来るように助け合うシステムを、みなの力で構築する必要が有ると思います。 

それは、科学の世界でも、経営の世界でも、禅の世界でも、家族の日常でも、同じなのではないかと思います。

posted by 徳岡邦夫 at 10:13| コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする