2010年10月18日

新刊のご案内

新刊『京都吉兆 しごとの作法』を上梓しました。

 

今まで、料理関係の本は何冊か出してきたのですが、今回は京都吉兆が大事にしているおもてなしの心や、人材育成についてなど、我々が日々仕事で大事にしていることをまとめました。

私にとっても新たなチャレンジというべき本です。

 

京都吉兆の舞台裏を明かすというほどではないのですが、

「ああ、京都吉兆ではこんなふうに考えながら仕事をしているのか」

と思っていただき、我々のことを、そして料亭文化をより身近に感じてもらえると嬉しいです。

 

私が「やんちゃ」だった時代のことも書いているので少々恥ずかしいところもあるのですが(笑)
ぜひ多くの人に読んでいただきたいと思います。

 

アマゾンでご購入の際はこちらから。

http://www.amazon.co.jp/dp/4569791417/

『京都吉兆しごとの作法』カバー.jpg

posted by 徳岡邦夫 at 19:18| コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月13日

水に沈む木

水に沈む木があります。

それは「沈水香木」と呼ばれ、色は茶褐色から赤黒いもの、黄みを帯びて浅いもの、濃い黄土色、 尋常の木質色と樹脂色の斑模様などと、いろいろと種類があるらしいです。

水中で沈んでしまうほどの比重を持つことから「沈水」と称され、加熱することで不可思議な芳香を 醸し出すために「香木」と呼ばれてきたそうです。
 
今日では「沈香」として知られています。
東南アジアのかなり広い地域に分布するらしいですが、 他の地域には絶対に見当たらないと聞いています。

全く偶然の産物として自然条件が揃わないと生み出されないモノのようで、特に良質の木塊を手にすることは大変に難しいらしいです。 

古来、中国の歴史においても、主要産地であるベトナムの歴史においても、王侯貴族にのみ許された貴重品として認識されてきたようで
勿論、我が国においても、舶載されて来る限られた品を一つ一つ慈しむように評価し、家の宝として末代に伝えるまでの存在になったようです。

いわゆる御香、香木です。
さまざまな種類の香りがあり、見た目だけで判断すると間違いの元となります。  
手にとってその質感を感じる事によって、はじめてその木塊中に凝縮された天然樹脂の集中力を感じることができると専門家より聞いております。  

香りを聞いて楽しむ事と、視覚的に楽しむ事、味覚的に楽しむ事、その他の五感を使っての楽しみ方もそうですが、それらには共通点があるように思います。  
それは、 単一の感覚だけで認識しているのでないと言う事です。

つまり嗅覚だけで感じているのではなく視覚や触覚など複合的な情報の取り込み方を知らず知ら ずのうちに行っていると言う事だと思います。  

そして、今取り込んだ情報を、自分自身が今まで得た情報と比較し、もしくは他の人の情報と照らし合わせて共感する部分、もしくは違う部分を見つけ出し優劣を感じたり、共有感を持って安心した りして楽しんでいるように感じています。  

それらはどうやら、われわれ人間が生き続けようと感じる為に必要な行為なのではないでしょうか。  

特に協調して生きていこうとする人々には そういう事が必要なのかも知れません。
ですから身体能力が低く助け合って生きていく事を良しとしている日本では、こういう独特の文化が途絶えずはぐくまれ、受け継がれてきたのでしょう。

その様に考えられんないでしょうか?  

ただ時代は変わりつつあります。
香りを聞いて楽しむような文化は、このままでは本質の無い、ただのトレンドに形を変えてしまいそうです。

そして それらが本質の無 い物になってしまった瞬間、そういう文化的な価値観は、影も形も無くなってしまうかも知れませんね。
 
たぶん、文化的な行為と言う知識欲は、生き残る為に得る知恵(生存欲)とは違い、他の人との比較する事で生きる目的、或いは生きる喜びを感じ、 生きる事を意識せずその事に熱中する事が出来る事によって、その事の為に懸命になり、継続しようと思う為に食糧を取る方法を工夫し、食事 を取り、その食事の取り方にもこだわりを持ち、自分自身の存在価値を見出し、結果的に生きてい る喜びを味わっているという 良質な思考循環を行っているのでしょう。
 
最終的には生き続ける為の欲につながるとは思いますが、二次的な効力の為に直接生きる事と結びついている様に感じられていないのではないでしょうか。 

「アートは、生きる為に必要ない!」と認識されている方が殆どだと思います。

私は、アートは生きる為に必要だから形を変え、人間界に存在し続けているのだと考えています。
 
皆様はどのようにお考えですか?  

形を変えてまで 、受け継がれてきたのはなぜでしょうか ?

人間界に、 必要だったからではないでしょうか?  

必要とされない物は 自然に淘汰されていくと言う事ではないでしょうか?  

その反対も真なりで 、今存在する物は 今必要とされている物なのでしょう。
人間も一つの要素ですから 必要無ければ 消滅の道を歩むのでしょう。
大きな枠組みの中で 、人間は、その大きな枠組みに必要とされないで自らを崩壊していこうとしているのでしょうか? 

私は、今だからこそ、今の方々に伝わる方法で、今までの経験を活かし本質を探り出し、それを形にして 伝えていく必要があるように思えます。
特に今、世界で協調して生きていこうとする動きが少しでもある今こそ、人間が生き続ける為に必要な文化の本質を見極め 、わかりやすく伝える必要がある様に思います。  

その為には 体験してもらう事が必要ですよね 。

短絡的に考えると、簡単に、そしてお手軽に体験出来るようにしてしまう事が良策の様ですね。

ただ簡略化しすぎると 本質が なくなってしまいそうです。

バランス、タイミング、順番が 難しい様に感じます。
もっと難しいのは、 言葉や習慣などや価値観が違う事です。
その問題に対しては、伝えるというより それぞれの地域、世代、性別が違う事により、価値観が違う事自体を、まず知る事が、大事かもしれません。

それぞれがそれぞれの為に懸命に生きる事は素晴らしい事なのですが、楽しいゲームをしながらその違いが埋まったり、違いに付いて話し合えたり、徐々に皆で建設的な事が出来たり、互いの気持が伝わり合えれば素晴らしい未来になると考えています。

「聞香」というのは、その様なゲームに おもえます。
一歩一歩 私なりに トライしていきたいです。

皆さん 力を かしてください !!

posted by 徳岡邦夫 at 17:42| コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

茶事

茶事について考えてみました。


茶事という言葉は、古くは広く茶の湯全般を意味する言葉として、今日では 一般に、茶の湯において食事(懐石)を伴った正式な客のもてなし方を茶事と いっている様です。


亭主(ホスト)はこの一会の茶事を催すにあたって、数日前から茶室の内外をととのえ、茶事の主旨をあらわすべき道具(食器も含め)のとり合わせに心を配り、懐石料理の献立を吟味し、茶、花、菓子、御香を心配し、庭の打ち水に至るまで茶事に深く心を配り、実意をつくし客(ゲスト)をもてなす。

客はまた、亭主のこの心入れの、一つ一つをおろそかならざることを思い、実意をもって一服の茶を喫す る。


このような主客の心の交流こそが、そして、精神修行を志す事が、茶事の神髄であると思います。


その事は、利休の門人 山上宗二著「山上宗二記」の中、井伊大老の「茶湯一 会集」にも、数寄者として高名な出雲の松平不昧公の「茶礎」の中からも教えを乞う事が出来ます。

日ごろ稽古をされている方は、最終目的は茶事を行うことにあり、 茶の核心は、茶事の中に(具体的には茶事を行う亭主と客の心得の中に・・・)すべて包合されているといって良いのではないでしょうか。

太郎冠者と次郎冠者は、互いに相手の心をいたわりつつ、太郎冠者は次郎冠者を思いやり、次郎冠者はまた太郎冠者の心をおしはかり、互いに一座を建立しようとするその心情こそ、真の茶事の「核心」であると思います。

現代風には、「人と人のコミュニケーションが醸成する為のマニュアル」が作法とか、マナーなのだと表現したいです。

「作法とかマナー」は、自分自身を綺麗に見せたり自分自身を引き立てる為の物ではなく、よりスムーズにコミュニケーションを取り、その環境のバランスをよりよく保つ為に必要な物ではないでしょうか。


その事は、「茶の湯」にまったく興味の無い方の日常生活、もしくは環境の違う異国の方の生活も含め、人類が、そして生命体が生きて行く為の「核心」でも有ると感じています。

茶の湯は、 それがゆえに、つまり「生きていく為」に必要だったから「淘汰されずに 変化してきた」のだとも 考えています。

posted by 徳岡邦夫 at 13:15| コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月28日

ご案内

先日、笹岡隆甫さんと連絡を取りました。
お話しをする中でぜひ皆さんにお知らせしたい事が2つありましたので、
下記に記載いたします。

@
2010年10月より、NHK文化センター横浜ランドマーク教室で、スクール形式のいけばな教室を開講します。
講座は初心者向けで、10月〜3月まで、全6回(月1回土曜日13:00〜14:30)。
ぜひご参加下さい。 
http://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_567681.html

A 
『百花の教え』(ぶんか社)を上梓しました。
京都の老舗「伊と忠」さんに手がけていただいた可愛らしい装丁にもご注目下さい。


どちらも今まで華道とご縁のなかった方が、新たな世界を覗いてみるひとつのきっかけにして頂ければと思います。
以上、ご案内でした〜。
posted by 徳岡邦夫 at 19:10| コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月22日

新書籍!!!

この度、講談社インターナショナルより書籍を出版致しました!

もう昨年の事ですが、ブログにて少し報告させて頂いていました。
その時書かせて頂いた事の抜粋ですが…

講談社インターナショナルさんから、徳岡邦夫の現時点までの集大成を本にしましょうと言うご依頼があり、第一回目の撮影が4/10より始まりました。
本日も、撮影の合間を縫っての書き込みですが、
これから、一年間かけて撮影を続けていき、構成の工夫や、撮り直しなどもあると思いますが、綿密に、大胆に根気良く仕上げていきたいと思っています。
私のイメージとしては、湯木貞一の中にあった琳派的な感覚を、世界に向けて、私風に表現したいと思っています。
これから、長いたびになりそうですけど、製作者スタッフ、私共スタッフ共々、頑張って世の中に役に立つ本に仕上げたいと考えています。
(2009年4月12日より)

長い旅の中で何度も悪路、障害がありましたがようやく一つの要所に辿り着きました。
出版社の方とも何度も話し合いを行い、大変充実した1冊に仕上がっていると思います。
早い書店では、先週末より店頭にて販売させて頂いています。
下記に詳細を記載させて頂きましたので、ぜひご覧下さい!

京都吉兆
Kitcho  Japan's Ultimate Dining Experience
徳岡邦夫  /著
三浦健司  /撮影
Kunio Tokuoka
Photographs by Kenji Miura
 
 228 x 289mm 
 ハードカバー  192ページ
 ISBN:978-4-7700-3122-8 / 4-7700-3122-X
 発行:2010/7/14
 定価:5,775円 (税込)
 
PR_Kicho.jpgPR_Kicho_eng.jpg
※画像をクリックして頂くと拡大像をご覧頂けます
posted by 徳岡邦夫 at 19:32| コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月09日

グランド・オープン

初の海外店舗!「kunio tokuoka 」5月2日シンガポールにオープン

  
3月
20日に「HANA吉兆」がリニューアル・オープンしたばかりですが、実は続けてもうひとつお店がオープンします。
それもシンガポールで。

 
今回は、初めての海外出店プロジェクトで、「京都吉兆」ではなく徳岡邦夫プロデュースのお店です。
ジョエル
・ロブションも出店する今世界的にも話題になっているセントーサ島のカジノリゾート、リゾート・ワールド・セントーサへの出店。
オールスイートホテル、クロックフォードタワー内に「
kunio tokuoka」という名で5月2日グランドオープンいたします。

 
40席ほどのお店ですが、和紙アーティーストの堀木エリ子さんと左官職人の挟土秀平さんに、壁面のアートディレクションをお願いし、店内装飾には、盆栽と苔のアーティスト小林健二さんのミニ盆栽と苔玉を配置します(盆栽は、料理のプレゼンテーションにも使います)。

 
堀木さんも狭土さんも小林さんも、日本の伝統を守りながら、新しい発想で革新的な作品を創り上げる、まさしく“琳派”の心をもった人たち。今回のプロジェクトにふさわしいアーティストとの出会いです。

 
そして料理は、吉兆の料理をベースに、日本料理の技法と和、洋の食材を柔軟に使い新しいスタイルを提案したいと思っています。四季のない常夏のシンガポールでも、季節を感じて頂けるような工夫も思案中です。


また、店外には、テラス席もあるので、おつまみやかき氷などのライトメニューも、試作中。日本では味わえないものもいろいろありますので、乞うご期待!

 
邦夫の新しい挑戦! こちらもよろしくお願いいたします。

  

Kunio tokuoka

リゾート・ワールド・セントーサ クロックフォード・タワー ロビー階

26 Sentosa Gateway, #02-139 Crockfords Tower Lobby Level Singapore 098138
TEL:+65-6686-3633   

HP:http://www.t-kunio.com/

リゾート・ワールド・セントーサ:
http://www.genting.jp/area/index.html

堀木エリ子:
http://www.eriko-horiki.com/ 

狭土秀平:
http://www.syuhei.jp/

小林健二:
http://www.sinajina.com/
 



posted by 徳岡邦夫 at 14:51| コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月30日

「80周年記念プロジェクトチーム」の発足。

本年も有り難う御座いました。
今年も、沢山の経験に恵まれ 有意義な体験を積む事ができました。


さて、
おかげさまで「吉兆」は平成22年11月21日、80周年を迎えることができます。湯木貞一が御鯛茶處を開店以来、時代の変化と共に伝統を受け継ぎ、これも皆様よりご贔屓あってのことと御礼申しあげます。

そして、80年という節目を迎えるにあたり、「京都吉兆・80周年記念プロジェクトチーム」の発足をご報告申し上げます。

80年という節目を京都吉兆の転換期と捉え、今後も、より皆様に愛される為、スタッフ全員が絆を固め、全社一丸となって、このプロジェクトを進めてまいります。

☆ プロジェクトのミッション=持続的に社会に必要とされる存在になる事。


☆ プロジェクトのビジョン=お客様に涙が出るほどの感動を与えること。


☆ ミッションとビジョンを達成するための戦略=守・破・離

(1)吉兆の伝統を再確認すること。(守)
→湯木貞一が創り、現会長徳岡孝二が維持し、さらに高めてきた京都吉兆の伝統を再確認し、忘れているもの、おざなりになっているものをもう一度見つめなおすことで、ミッションとビジョンを同時に達成する。

(2)新しい取組を行なうこと。(破・離)
→湯木貞一、徳岡孝二が創造し、守ってきたものをまねるのでなく、今の時代を魅了するような新しい取組を行うことで、ミッションとビジョンを同時に達成する。


上記の戦略(1)、(2)を遂行するための具体的な方法として現段階では下記のようなプロジェクトを考えております。

・他企業との周年記念タイアップ。
・リチャードジノリ(1735創業イタリアの陶磁器メーカー)とのルネッサンス・プロジェクト。
・一次産業の方々とのコラボレーション&地域活性化(風土料理のリ・デザイン)。
・湯木貞一の歩みを見る・・・・  など。


以上のような具体的な方法を考えておりますが、この他の具体的な戦術の案、及び、それらの戦術の各店舗への落としこみ(更なる詳細な戦術)案を、実行計画にまで到達させる作業は、プロジェクトチームを結成し、そこで推進することとします。

このプロジェクトを、先頭に立って企画し、推進するプロジェクトチームは、役員ではなく、スタッフの皆さんの中から選びたいと考えています。役員の一部はオブザーバーとしてプロジェクトチームを補佐いたします。専門家の方々にもプロジェクトチームに入ってもらい、メンバーを指導して頂く予定です。勿論、私、徳岡邦夫、直轄のチームです。

 プロジェクトチームの一員となって、プロジェクトを推進したい方を募集して決定していきます。
なお、プロジェクトは来年一月より始動いたします。

また、上記のような具体的な戦術案を京都吉兆の社員から広く募ります。
プロジェクトチームの一員である前に、チーム京都吉兆の一員であります。
今後大きく飛躍するため、スタッフ全員が絆を固め、全社一丸となって、このプロジェクトを進めてまいります。

皆様におかれましては、今年以上に来年も、叱咤激励、御指導御鞭撻を宜しくお願い致します。


本年は、本当に有難う御座いました。

心から、御礼申し上げます。

皆様も、良いお年をお迎え下さいませ。

平成二十一年十二月三十日
            
 (株)京都吉兆 代表取締役社長
                     徳岡  邦夫

 
posted by 徳岡邦夫 at 17:27| コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

お知らせ。


 平素は「京都吉兆」をご利用賜り 厚く御礼申しあげます。

  この度、私は(平成二十一年六月)株式会社京都吉兆  代表取締役社長の大役を拝命し、『京都吉兆』を冷静に見つめ直す機会を得ました。そうした中、社内の常識にとらわれず、外部の専門家の方々にもご指導を受けながら、時代の動向に合った経営を心がけ、よりよく皆様に愛される店を作り上げていきたいと考えております。

  さて、その一つといたしまして、お料理とおもてなしを充実を図る為に店舗の再編を視野にいれ、各店が特色ある店として展開することといたしました。

  今回 リーガロイヤルホテル店を平成二十二年一月末日をもって閉店し、祇園花吉兆を全面改装する決断を いたしました。

  リーガロイヤルホテル店は京都グランドホテル時代より三十四年間の長きに渡り、多くのお客様にご愛顧賜り、有難く御礼申しあげます。この地で学びました皆様のご厚情はリーガ店スタッフにより、京都駅グランヴィア店や花吉兆にて受け継いでまいります。

  花吉兆は松竹様とのご縁もあり、平成三年に開店し、今回思い切って、リニューアルをして、沢山の世代の方々に愛されるお店を目指します。平成二十二年一月十三日より約二ヶ月の改装期間を頂戴し、三月二十日頃のオープンとさせていただきます。
091228hanakiccho1f.jpg(画像をクリックすると拡大)


  しばらくの間、ご不便をおかけ致しますこと深くお詫び申しあげます。
  今後とも、スタッフと共に皆様にお喜びご納得いただける店作りを心掛けてまいります。相変わりませずご愛顧賜りますよう何卒よろしくお願い申しあげます。

  なお、来年一月末限りではございますが、リーガロイヤル店へのお足運びと近隣のグランヴィア店へのご来店も賜れば、幸でございます。
  右 ご案内申しあげます。

   平成二十一年十二月三十日
            
 (株)京都吉兆 代表取締役社長
                     徳岡  邦夫
  

 
posted by 徳岡邦夫 at 15:33| コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月24日

「男子の台所」

ご無沙汰しています。
久しぶりの更新です。

さて先日、バジリコ出版様より書籍を出させて頂きました。

今回は男性のための料理・レシピ本です。下記に概要を紹介させて頂きます。

店頭にて販売していますので、ぜひ一度ご覧ください。

  

嵐山吉兆 男子の台所

徳岡邦夫

写真・山口規子

 

定価:1,680円(税込)

ISBN 978-4-86238-156-9

発売日 2009/12/4

 

好評を博した「四季の食卓」シリーズにつづき、男子のための料理読本+レシピ集がいよいよ刊行!!

 

「焼く」、「煮る」、「揚げる」、「蒸す」、「切る」……調理はなんのためにするのか? どんな効果があるのか? 素材からなにを引き出すのか? 男子のために、料理を科学ちっくに考えてみました。そして、その特徴を生かしたレシピを創作!

 料理上手になるには、「なぜ?」という好奇心がなによりも必要です。

 

帯推薦文は小山薫堂さん。小山さんは私の料理の大ファンでだそうで、今回帯推薦文を書いて頂きました。

 

【目次から】

焼くということ/煮るということ/揚げるということ

蒸すということ/いぶす、ということ/漬けるということ

切るということ/米を美味しく食べる/料理の基本

 

【はじめに】より

熟年離婚が、増えているようです。夫婦としてのギブ&テイクやプラス・マイナスのバランスが、崩れるからなのでしょうか。ギブばかり、テイクばかりと、お互いが感じることになると、その関係は崩れ始めます。男子は「外で働くだけ」という固定観念に縛られていることが、熟年離婚の原因かもしれません。バランスのとれた関係を維持するためにも、男子も台所に入るべし、私はそう思っています。

 

C0077 B5判変型(242×148)・並製・104ページ・オールカラー

料理レシピ 50点

9784862381569-72帯アリ.jpg

posted by 徳岡邦夫 at 13:58| コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月15日

ミシュランの☆を頂きました!

この度、ミシュランにて、「京都吉兆嵐山本店」に三つ星、「花吉兆」に一つ星を頂きました。

ありがとうございます。


国際基準ともいえるミシュランに三つ星を頂いたことで、料理人として大きな責任と使命を与えられたような気がしております。と同時に、日本料理を世界に発信するチャンスを与えられたとも感じております。


今後も日本に「京都吉兆があってよかったな」と言われるよう、私をはじめ、スタッフ一同“チーム京都吉兆”として、みなさまに必要とされるお店となるよう精進して参りたいと思います。


そして、「嵐山本店」は、ミシュラン三つ星の期待に応えるよう、「花吉兆」は、次回二つ星、三つ星が頂けるよう、お客様一人一人が今以上に喜んで頂ける「京都吉兆」を目指して、日々、努力、工夫して参りたいと思います。


今後とも「京都吉兆」をよろしくお願いいたします。

 

                   徳岡邦夫   

                  「京都吉兆」スタッフ一同

posted by 徳岡邦夫 at 13:20| コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月10日

本当の幸せ。

最近の方を見ていると、23年で現職を捨て、次から次へ「キャリアアップ」という名の元に、職場を変える傾向が目立つ気がします。

しかし、ゆっくり考えてみて下さい。
情報に踊らされていませんか?

23年で辞めても、実際に得るのは「キャリア」ではなく、自分自身の信頼を失うだけなのです。
日本料理の世界では、10年以上同じ職場で様々な経験を多角的に積む事で、物事を深化させる事が出来、腕が磨かれるという考え方が当たり前でした。

焦って何かをやめてしまう時、他人と比べていませんか?
しかし大切なのは、去年の自分と比べ、今の自分が少しでも成長出来ているかどうかではないでしょうか。

私ども京都吉兆には、現在注目されている、「食」を切り口にした、様々なヒントやチャンスがふんだんに隠されています。
それを社員が見つけられるかどうかは、本人にかかっています。

幸せとは、人から与えられるものではないからです。


各界の要人にも多くお越し頂く弊店では、サービススタッフにも質の高い身のこなしが要求されます。その身のこなしは自然に身につくものですが、受け身でいるのではなく、意識しながら実践を重ね、時間をかけなくては無理です。
付け焼場では、ぼろが出ます。

それは、茶道の稽古と良く似ており、言葉やマニュアルでは、到底理解出来るものではないのです。
初めは点だった割り稽古が、線になって所作と言う流れを生み出し、そこに奥行きが出て思想となり意味を成す・・・。
そのプロセスには、時間の存在が必要不可欠です。

慌ただしく働く中でも、「幸せの本当の意味」について、常に考えなければ上達はないと思います。
成長する時は、誰しも苦しいです。言い替えてみれば、苦しい時は成長している時なのです。
水準の高いものが周りにあれば、学べる事も水準が高い筈です。そして、結果として水準の高い幸せを得られるのです。

幸せになる事を諦めないで下さい。

京都吉兆は、「本当の幸せ」を手に入れる事を諦めない皆さまと、共に成長出来る事を楽しみにしています。

 
*上記文章は、リクナビブログに掲載したものを、一般的にも読み易いよう、修正させて頂きました。

posted by 徳岡邦夫 at 17:41| コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月08日

ミシュラン!

昨年の今頃、ミシュランさんに関しての取材をたくさんお受けいたしました。

その際、報道された内容と、私の思いにずれがありましたので、私共の思いをハッキリさす為のコメントを、昨年の今頃に、このブログに掲載しました。

10月16日に、「ミシュラン 関西版(京都・大阪)」が発売される中、再度、私共にミシュランさんに対しての取材が集まっています。

私共のミシュランさんに対しての思いを明らかにする為に、昨年、一昨年に掲載した同じコメントを再び掲載させていただきます。
私共は、ミシュランさんを肯定しています。
その考えは、審査方法が如何であろうが、昔から今も変わりないです。
下記は、一年前に掲載さしていただいた内容と同じです。


ここ数日、「ミシュラン」について注目度が高く、私共も取材を数件、お受けいたしました。

実際、その放映は見れていないのですが、数人の方に聞いた限りでは、「ミシュラン」について、私が否定的な意見を述べていたように聞きました。
私自身は、「ミシュラン」について肯定的な意見を述べたつもりだったのですが、そのように受け取ってない方がいられるというのはおかしいと思い、自分の意見をはっきり伝えておこうと思っています。

先ず、「ミシュラン」の存在について、私、徳岡邦夫は、肯定しております。

勿論、日本は、世界の中では特殊な文化を持つ国ですので、海外の方に理解いただくには時間がかかります。日本人の評価と、異なる基準であるのは、当たり前だと思います。
そして評価は、十人十色ですから、その中の1つの評価基準が「ミシュラン」なのです。

それだけです。
怖がる必要も、依存しすぎることもないです。

ただ、十人十色の1つの評価である。と同時に、世界基準のひとつでもある。という事です。

その影響力は、今メディアが騒いでいる通りです。
メディアも、読者も、掲載されるお店も、意識しすぎなのではないかと思います。

世界基準といえども、1つの見方ですので、日本の食文化が正しく世界に紹介されるよう、導けばよいのだと思います。

世界基準の中に、京都の文化をキッチリと紹介できないといけないのではないかと考えています。

「ミシュラン」さんにも、日本文化や京都文化を理解しようと思って頂きたいです。

そして、フェアーに良い関係で御付き合いできなければ、継続はありません。
又、継続しなければ、「ミシュラン」の真価は発揮できないようにも考えています。

今回は、京都吉兆としてご辞退させていただきましたが、次回、もしもう一度オファーがあった場合は、是非とも掲載して頂きたいと思っております。
まず、舞台に上らなくては始まりません。

もしその結果が星1つでも、次年度は星2つを取れるように頑張れば良いと考えております。

でも一番重要なことは「ミシュラン」さんにアピールする事ではなく、来て頂いた目の前のお客様に、自分自身の持っている力、全てを使って、喜んでいただけるよう努力、工夫、する事だと考えています。


お陰さまで、ここ数年世界のイベントに参加させて戴く事が多くなりました。
そこで、“ミシュランの星付きシェフ”と紹介される方がかっこいいかもしれませんが、一番大切に思っている事は、お客様に喜んで頂くには、どうすればよいかです。

その国の人気レストラン、人気スポット、一般家庭に御邪魔してコミュニケーションする事で、情報を集め、自分なりに考え抜き、それを表現することなのです。

当然ながら、今世界で私をご紹介頂く際、「吉兆の」でも、「ミシュラン●ツ星の」でもなく、ただの「徳岡邦夫」と紹介されます。

「ミシュラン三ツ星京都吉兆総料理長の徳岡邦夫」と呼ばれる方が、可能性が広がると考えています。

posted by 徳岡邦夫 at 20:00| コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

献立決定!!

大好評に終わったシャンパンやワインのコラボ・イベントに続き、リーガロイヤルホテル店のイベント第三弾。

伏見の齊藤酒造さんの御協力を得て、来たる10月16日(金)、「日本酒の会」が行われます。

そして、日本酒の銘柄と献立が決まりました。


まずは、日本酒。 

今年、全国新酒鑑評会で12年連続金賞を受賞した「大吟醸 祝35」を始め、今年の新酒をひと夏貯蔵タンクで寝かし、先月出たばかりの「吟醸ひやおろし」、数ある齊藤酒造さんのお酒の中でも最高ランクにある「井筒屋 伊兵衛」を含む6種類のお酒を用意しました。

 
そして、料理。 

まずは八寸で、菱蟹・鮒寿司・奄美大島産の生うになど、様々な肴で日本酒を飲んで頂き、次にお椀では松茸、お造里では戻り鰹、石焼では鮑、そして焚合、御飯、果物と厳選した食材を使い日本酒との最高のコラボレーションを実現しました。

 
今日、試食・試飲を行いましたが、飲み比べが出来、お客様それぞれの料理との組合せを作る事が出来るので、とても面白いと感じました。
 

献立は出来ていますが、ギリギリまで検討しながら、お客様に最高のひと時を提供出来るようにと考えております。

イベント御案内の確認を差せて頂くと、
10月16日(金)、18:00から、お料金は15,000円(日本酒、税サ込)、京都リーガロイヤル店にて、20名限定です。

私も、参加させて頂き皆様と御一緒に食事しお話をさせて頂きたいと思います。

当日参加は、大変申し訳有りませんが、お受けしておりませんので、御了承下さいませ。
御予約の方のみが参加できことになっています。
御予約先は、京都リーガロイヤル店(075−371−7117)迄お願い致します。

posted by 徳岡邦夫 at 19:32| コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月16日

重版。

6/17の出来事ですが、出版社から下記のメールが来ました。 
「おいしい野菜の見分け方」ですが、きょう、重版を決めさせていただきました。爆発的に売れ始めているという感じではないのですが、とても順調に売れています。ほんとうにありがとうございました。


 野菜宅配業者さんや有機認証団体さん、全農さんも取り扱っていいただけると思います。
八百屋さんに置いてもらうというのは、まだ実現しないのですが、なにか進捗がありましたら、ご報告します。
とりいそぎ、ご報告まで。

posted by 徳岡邦夫 at 12:07| コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月15日

社長就任。

ご無沙汰しております。
徳岡邦夫です。

京都吉兆の社長に、6月17日に就任させて頂き、事務所、食品部、各店の現場を念入りに視察し冷静に見つめ直す機会を得て、吉兆というブランドに胡坐をかいていることに気付かされました。

船場吉兆問題や、リーマンショック、新型インフルエンザ等の外因のせいにしていても、何も改善されず、京都吉兆自身を見つめ直し、自身の体質をかえることが、皆様に末永く御愛顧いただくことに繋がると確信いたしました。
第一歩としては、今までのように京都吉兆内だけの常識で判断するのではなく、それぞれの専門家の方々にもお力を借り、今までの経験プラス理論的な考えを取り入れ、時代の動向に合った経営を着実に前に進めたいと決意いたしました。

今後更に、料理屋の原点を見つめ直し、これでもう完璧だと油断することなく意識の改善や適応することを実行してまいります。

そうすることは、大変難しいことですが、チームとして、そして、チームの一員として、スタッフそれぞれも自分自身の力を信じ、チームを信じる事が出来れば、必ずお越し頂く方々にとって一番の料理屋に成れると信じています。

各店間の研修は、自己啓発や店舗啓発にとって、有効な方法だと考えます。
京都吉兆全体をチームとして、互いに、啓発出来る環境を作ります。

そのプロジェクトの名前を「チーム京都吉兆プロジェクト」とします。

チームの為になにが出来るかということを成し遂げる努力をする事で、自分自身のより深い、大きな幸せをつかむことに繋がっていくはずです。

年内に、どんどん具体的な提案をさせて頂きます。
乞うご期待!!

posted by 徳岡邦夫 at 19:33| コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月01日

豚インフルエンザ。

早速ではございますが、NYでのイベントの件でお知らせがございます。


最近報道されております、豚インフルエンザの関係でイベントを延期する事が決定致しました。
下記に昨日、弊社宛に頂いたメールを記載させて頂きます。
今までご期待をしていただきました方々には、急な延期となりまして、誠に申し訳ございません。

 京都吉兆
 徳岡様
本日、堺市役所にて関係者が集まりNYレセプションの実施、或いは延期につき打ち合わせしました結果。
本日夕刻、堺市長より行政の責任者として、米国への渡航が出来くなったので、今回のNYレセプションを延期する旨の方針が下されました。
今まで多くの関係者のご努力で今一歩というところまで進んでいながら、世界的な不測の事態に陥りましたことから、行政としての判断は致し方ないと思います。

甚だ残念ですが、今後の対応につきましては別途相談させていただきます。
大まかな方針としましては、約半年の延期で11月実施が望ましいとの話しが出ています。

 
取り急ぎ、連絡申し上げます。


posted by 徳岡邦夫 at 19:26| コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月28日

京都吉兆 + Richard Ginori 1735

私共京都吉兆より、イタリア リチャードジノリ1735社に、世界における陶磁器の基準作りを提案させていただきました。

色々な、展開もあわせ提案した結果、共に協力し合う事を約束していただきました。
ここまで、こぎつけるのに、長い歳月をかけてきました。
いつから、はじめたのかも忘れてしまいました。
5年間ほどかかった様に思います。
諦めずに、トライを継続してきた結果だと思っています。

第一段階として、私共にある「古染付け」を、出来るだけ忠実にコピーして頂く事をお願い致しました。
只今、サンプル段階なのですが、大変すばらしい出来で、ビックリしています。

一客、一客の形状を変えて、絵付けも五種類のサンプルは、あるのですが一つ一つ手書きですので、微妙に個体差あり、まさに日本の美を表現しています。

一番早く、そのお皿を発表できるのは、5月のNYでのイベントになります。
日本での発表&販売は来年になりそうです。

来年は、丁度「吉兆創業80周年」ですので、良い記念になると思います。
予定では、300枚製作して、嵐山店で、100枚使用さしてもらいます。
ですので、私共が提示した基準は、「嵐山吉兆でお出し出来る物」でした。

後の200枚は、5枚一組で、吉兆HPより限定販売をさせていただく予定です。
乞うご期待!!

下記は、Richard Ginori 1735様が作られたプレスリリースです。


株式会社京都吉兆(京都市)は嵐山で所蔵している江戸時代初期のものといわれる"古染付け" 小皿5柄の復刻をイタリア リチャードジノリ1735社(イタリア・フィレンツェ市)に発注しました。

京都吉兆 初代より愛用されてきたリチャードジノリの陶磁器、そして現在もその歴史と伝統を繋いでいる両老舗による、本質の和洋融合コラボレーションを目指します。
 
和の器として 吉兆がその歴史の中で繋ぎ 守ってまいりましたコレクションの中から精選した"古染付け"を基とした器をリチャードジノリが誂えます。

和の真髄として君臨する京都吉兆、その体現である徳岡氏。
世界的陶磁器ブランドとしての伝統、技術、芸術性を具現するリチャードジノリ。

最も重要な器としての信頼性、その磁器に「吉兆」RichrdGinori とダブルネームで、古染付けを復刻いたします。
 
和とイタリアの命が吹き込まれた器は 吉兆 嵐山で使用され、また徳岡氏の国際的かつ幅広い活動により広く世界で発信されることでしょう。

posted by 徳岡邦夫 at 20:46| コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月08日

ミシュラン。

私の、意見が、反映されている「ミシュランガイド京都・大阪」のインタ ビュー公開コラムがアップしていますので、紹介させて頂きます。
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20090406/1025287/




posted by 徳岡邦夫 at 21:26| コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年01月19日

試食会の成果!

店舗試食会も重ねるごとに、具体的になってきました。

どんどん、お客様に反映されつつあります。

昨日、行った試食会のコメントを掲載したいと思います。
より具体的になってきているのが分ると思います。

下記の試食料理を作っているのは、各店の料理長ではなく、二番手以下の中堅料理人が研修もかねて作っています。

料理長と中堅で料理構成を考え作っているのですが、試食会のときは、料理長は、試食する側に周り、料理の構成や内容、中堅料理人への指導内容などを私と一緒に考えてもらってます。

 
リーガロイヤル店

・付出      白魚昆布〆 赤蕪 たらの芽 生このこかけて
☆白魚と昆布の風味がとても良かったです。
土佐酢の酸味も美味しく、生このこの風味がお酒を誘い、一番最初の料理としては、抜群でした。
  
・煮物椀    ふかひれ 東波豆腐 鶏スープ仕立 葱 生姜
☆ふかひれの下処理が丁寧であることがわかる。美味しかった。
東波豆腐の大きさ、形状が問題あり。
 
・造り      ほうぼう しび 烏賊
☆ホウボウが、歯ごたえも良く、美味しい。
シビも油が乗っているし、烏賊も歯ごたえ、包丁の入れ方が良い。
  
・焼物替り   蕪みじん粉揚 地鶏唐揚 青唐辛子 うまだし
☆安心して、頂ける味。演出も良かった。
  
・強肴     火取り唐墨 焼丸大根 菜種 揚米 あんかけ
☆唐墨が厚く、主張しすぎる。大根とのバランスをとって欲しい。

・御飯     穴子御飯 赤出し 香の物
☆大降りの穴子で、ジューシーでコクがあり、食べやすく食べれる工夫もしてある。
  
・果物     デコポン 苺
☆シンプルなので、苺を工夫して欲しい。デコポンは、美味しい。

                    
 
花吉兆 店

・八寸  鈴子(さざえ)、雲子ポン酢(玉)、金ぷら、フォアグラ橙         
     うるめ鰯、海老御膳寿司、牡蠣の磯部巻、蟹砧巻、蓬ヶ島
☆今まで、やってきた形や色を重視した物だけではなく、一品づつが美味しいものを考えてもらいたい。料理長らしいものに変えて言ってほしい。他店(他の吉兆とも)と差別化できるものにして欲しい。


・椀   胡麻豆腐、鴨、鴨丸、葱
☆鰹出汁のひき方のタイミングが、あっていないので、鰹と昆布のバランスが悪い。
味付けは、美味しいが、盛付けに難あり。

・造里  鯛、鮪、烏賊
☆鮮度、食感、油ののり具合、最高に美味しいです。
ただ、何か工夫が欲しい。たれやきり方、加工の仕方などなど三種のうち一種とか三切れのうち一切れとかの工夫が欲しい。

・箸休め 初午
☆シンプルに美味しい。この位置の料理としては、完璧。

・焼物  サーモンおかき揚、帆立香煎揚
☆演出が良かった。

・焚合  丸小田巻
☆やさしい味で、安らいだ。大変美味しかった。

・御飯  鳥水炊き、白飯、漬物
☆ボリュームがありすぎて、大変美味しいのにもったいない。
お昼に、鳥水炊きセットなどで、お出しすれば、喜んでいただけると思う。

・果物  苺りんごかけ、豆乳アイス
☆さっぱり美味しいです。

posted by 徳岡邦夫 at 19:48| コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年01月01日

あけましておめでとうございます。

あけましておめでとうございます。

本年もよろしくお願い致します。

去年の暮れには、御節を12/31中、皆無事にお届け出来てホッとしています。
御節が終わり、本日、元旦から沢山のお客様にお見え頂き、忙しくさせて頂いている事を感謝しております。(松花堂店はお休みをいただきました)

とはいえ、1月5日には、恒例の約1500名の会もまだ控えているので、気が抜けないです。
1月15日までにも100名ほどの初釜の会があります。
15日を済ませて、やっと、新年を迎えるというか落ち着いた心持になります。
こういう商売ですので仕方ないですが、なかなか大変です。

15日過ぎから、京都吉兆各店を回り、年末年始の反省をし、本年の志や、具体的に試食会を始めます。

本年は、1/25〜2/1まで、有名料理人の方々と、スペイン、パリにレストランや食事情の視察に行って来ます。

私の今年のテーマは、「うま味、香り、食感」です。

posted by 徳岡邦夫 at 20:20| コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする