2008年04月02日

近況報告

嵐山の山々も桜色に染まり、華やかな情景が深まってまいりました。

船場吉兆の不祥事では、沢山の方々にご心配頂き有難う御座いました。
一つ一つの事の本質を問いながら頑張っております。
暫く筆不精しておりました。近況報告をさせて頂けたら幸いです。

先日、リクナビブログでもご紹介しましたが、何年も前から参加させて頂いている、地域活性化、食育、一次産業活性化が、少しずつ色々な所でリンクし始めたように思います。

榊原英資さん主導のFJN初め、堺市のブランド創造発信事業、山形県や京丹後市の地域活性化など、国内外や地域にこだわらず、お声掛けを頂いた皆様のお手伝いをさせ続けてまいりました。
何度も何度も地道に職員さんや現場の方々との会議や実践のフィードバックを重ねて来ました。

そしてそのことが、昨年11月のCIAでのコンフェランスに引き続き、今年の7月には、サンフランシスコでの「Umami Symposium」や、ニューヨークでの「James Beard Foundation Dinner」に招聘して頂く事に結びついたのかもしれません。。
まだまだ不勉強なのですが、私自身が考える参加目的は、懐石やフレンチなどのジャンルにこだわらず、健康と環境を意識した、「食の本質」を、人種を超えて問いかける為です。
日本料理や特定の国の文化に固執することなく、ボーダレスに幸せの探求を考えています。

料理屋に生まれた私は、子供の頃から知らず知らずのうちに「美味しさ」を追求して来たようです。そして、導かれた答えのひとつは、「必要なもの」だから美味しく感じるのだと言う事です。

体が、頭が、心が、感覚が求める食べ物・・・これが、個々人の「美味しさ」や「健康」「美容」に繋がるのだと思います。
勿論、適量と言う物がありますし、溢れる情報で、感じたり感じなくなっていることもあるでしょう。しかし、「美味しさ」の本質と言うのは、個人が健康に活力的に生きるために欲するのものだと思います。

そして、その「美味しさ」を支えているものは、他ならぬ自然環境なのではないか、と言う考えに至りました。

例えば、日本料理に欠かせない昆布出汁ですが、美味しい出汁をひく為には、当たり前の事ですが、先ず、美味しい昆布が要ります。

その昆布が出来るには、美しい水が必要です。
太陽、空気、微生物、栄養素、土壌環境、適度な気温、四季、天候条件など、様々な「環境」や相乗作用が必要です。
海を汚さないようにする、地域の人々や企業の意識も不可欠です。
昆布を実際に取られる方々や、それを加工する方々の知識や技術、人手が必要です。
作り手の知識や技術、アイデアも必要だと思います。

そうして出来た昆布出汁と、相乗効果を生み出す他の食材の質も重要ですし、そこには、それを作る農家や酪農家の皆さんの努力、知識、技術、管理も大切になってきます。
又、これら全てに通じる大事な事は、何よりも「継続」だと思います。

先人達の智恵が育んできた文化や環境、生命、それら全てを私のお出しする料理に表現出来たら、これ以上幸せな事はありません。
そして、次世代に繋げる為の現状ふまえた工夫が必要です。
タイミング、手順、方法は、何を何方にということで、変わってきます。
そういう事を、一つ一つ考え工夫し 行動に移していく、諦めずにです。

これからも、京都、名古屋にあります私ども京都吉兆では勿論の事、国や人種、世代を超えた多くの方々と、後戻りすることなく、今の環境を洞察し受入れて、「食」というキーワードを通じて共生していけたら幸いです。

皆様の信頼に応えられるよう、益々切磋琢磨して参ります!
posted by 徳岡邦夫 at 19:46| コラム