2009年05月05日

花饂飩プロジェクト。

今回のプロジェクトの難問は、原料である小麦粉が国産薄力粉であると言うことです。
一般的な「うどん」は、中力粉に準強力粉のブレンドでオーストラリア産が多いという事です。

国産は、小麦粉の質が安定せず、「産地」「四季」「雨量」で、毎年同じ品質が出来ません。

まして、国産薄力粉となれば、細い細い糸を渡るような技術と忍耐・体力が、必要になってきます。

例と致しまして、今年の熊本産ちくご泉粉は、昨年よりグルテン2%上がり少し作りやすくなりますが、ばらつきがあり安定度に不安があります。

つまり、安定しない部分を補う技術が要求とされます。その経験や技術を兼ねそろえ、薄力粉を手延べ麺に出来る職人は、大変少ないのです。

現在、国産薄力粉は、和菓子とてんぷら用にしか利用されておらず、粉の上品さと国産独特の香りがありますが、麺のコシを出すには手間ひまを必要とし、合わせて熟成で味を付けていくのですが、その熟成が原因で、安定しない事になってしまっています。
熟成工程が麺の味を決めます、気温が1度上がる度に塩水と室温の微妙な調整をおこないます。その調整の加減が、麺線が安定するかしないか、コシが出るか出ないかの境になるからです。

熟成の時間帯と延ばすタイミングで麺線の太さや小麦粉本来の甘みの有無が、大きく変わってきます。このタイミングを間違えると麺線の大きな不揃いが生じてきます。

国内産小麦は、グルテンが低く熟成のタイミングが非常に難しく、その見極めが最大のポイントになります。

しかし、今回の数えきらないほどの試作を繰り返してきた事により、その部分の技術を手に入れることに成功しました。

味、コシが安定してだす事が出来れば、手延べうどんの特徴の一つとして、同じ太さには、出来上がらない事は、プラスになります。
その麺のアンバランス(不揃い)が、手延べうどんの素晴らしい食感を生むのです。

国産薄力小麦粉を使用して饂飩を作る事は、究極の技術の結晶を生み出す事になるでしょう。


花饂飩膳 3,000円(税・サ込3,465円)

・八寸   季の物

・造里   二種

・うどん  筑後いずみ:北海道ほくしん 7:3 
      ゆで時間7分

・薬味6種
@肉生姜煮      
A大和芋、卵黄
B明太子、胡瓜、長芋 
C葱、生姜
Dきんぴら      
E新生姜、もろみ
 
・出汁2種  
Aうま出汁
Bあんかけ出汁(葱、刻み揚げ)

・デザート アイスクリーム フレッシュフルーツを添えて
 
平成二十一年五月中旬発売予定。

乞うご期待!!
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posted by 徳岡邦夫 at 20:14| HANA吉兆 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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