昨年の今頃、ミシュランさんに関しての取材をたくさんお受けいたしました。
その際、報道された内容と、私の思いにずれがありましたので、私共の思いをハッキリさす為のコメントを、昨年の今頃に、このブログに掲載しました。
10月16日に、「ミシュラン 関西版(京都・大阪)」が発売される中、再度、私共にミシュランさんに対しての取材が集まっています。
私共のミシュランさんに対しての思いを明らかにする為に、昨年、一昨年に掲載した同じコメントを再び掲載させていただきます。
私共は、ミシュランさんを肯定しています。
その考えは、審査方法が如何であろうが、昔から今も変わりないです。
下記は、一年前に掲載さしていただいた内容と同じです。
ここ数日、「ミシュラン」について注目度が高く、私共も取材を数件、お受けいたしました。
実際、その放映は見れていないのですが、数人の方に聞いた限りでは、「ミシュラン」について、私が否定的な意見を述べていたように聞きました。
私自身は、「ミシュラン」について肯定的な意見を述べたつもりだったのですが、そのように受け取ってない方がいられるというのはおかしいと思い、自分の意見をはっきり伝えておこうと思っています。
先ず、「ミシュラン」の存在について、私、徳岡邦夫は、肯定しております。
勿論、日本は、世界の中では特殊な文化を持つ国ですので、海外の方に理解いただくには時間がかかります。日本人の評価と、異なる基準であるのは、当たり前だと思います。
そして評価は、十人十色ですから、その中の1つの評価基準が「ミシュラン」なのです。
それだけです。
怖がる必要も、依存しすぎることもないです。
ただ、十人十色の1つの評価である。と同時に、世界基準のひとつでもある。という事です。
その影響力は、今メディアが騒いでいる通りです。
メディアも、読者も、掲載されるお店も、意識しすぎなのではないかと思います。
世界基準といえども、1つの見方ですので、日本の食文化が正しく世界に紹介されるよう、導けばよいのだと思います。
世界基準の中に、京都の文化をキッチリと紹介できないといけないのではないかと考えています。
「ミシュラン」さんにも、日本文化や京都文化を理解しようと思って頂きたいです。
そして、フェアーに良い関係で御付き合いできなければ、継続はありません。
又、継続しなければ、「ミシュラン」の真価は発揮できないようにも考えています。
今回は、京都吉兆としてご辞退させていただきましたが、次回、もしもう一度オファーがあった場合は、是非とも掲載して頂きたいと思っております。
まず、舞台に上らなくては始まりません。
もしその結果が星1つでも、次年度は星2つを取れるように頑張れば良いと考えております。
でも一番重要なことは「ミシュラン」さんにアピールする事ではなく、来て頂いた目の前のお客様に、自分自身の持っている力、全てを使って、喜んでいただけるよう努力、工夫、する事だと考えています。
お陰さまで、ここ数年世界のイベントに参加させて戴く事が多くなりました。
そこで、“ミシュランの星付きシェフ”と紹介される方がかっこいいかもしれませんが、一番大切に思っている事は、お客様に喜んで頂くには、どうすればよいかです。
その国の人気レストラン、人気スポット、一般家庭に御邪魔してコミュニケーションする事で、情報を集め、自分なりに考え抜き、それを表現することなのです。
当然ながら、今世界で私をご紹介頂く際、「吉兆の」でも、「ミシュラン●ツ星の」でもなく、ただの「徳岡邦夫」と紹介されます。
「ミシュラン三ツ星京都吉兆総料理長の徳岡邦夫」と呼ばれる方が、可能性が広がると考えています。